かつて某AB◯クッキングのパン講座に通ってました、ちいカレの坂本です。2時間きっかりでビジュアル良く完成することが何より優先されているレッスンでした。まずは粉の半量に水分を超高速で行き渡らせ、長芋を練るかのように初期動作でグルテンを形成するという手法、よく考えたなと思います。とはいえ、相手のイースト様は生き物、丁寧に生地を丸めて一次発酵、ガス抜き分割してベンチタイム、成形して乾燥しないように二次発酵となかなか時間がかかります。そんなパン作り、果たして1時間半のレッスンで可能なのか?なんなら実験もレポート書きも発表もあるんですが。
どうにかしてやれる方法を探していたある時、55分で作れるパンという売り文句に出会いました。ジップロックでちゃちゃっと捏ねて、あたためたフライパンで発酵させ、そのまま焼いちゃうというお手軽さ。早速動画を見ながら一緒にやってみましたが、出来上がったのはイーストの香りの焼きすいとん。もちろん、何度かやったらできるようになるかもしれないけど、これはこどもたちには難しそうです。なので、イーストをぬるま湯に溶かし予備発酵させ、10分捏ねた後いったん丸めて30分一次発酵、ゆっくり分割成形して、フライパンで15分程度焼成してみたらふんわりもっちりのパンが出来ました。合計65分、なんとか間に合いそうです。
一次発酵の時間を利用して、講義と実験の仕込みをしましょう。30分経ったらパンの分割成形、焼いてる間に実験の結果を確認しレポート書きと発表。最後に焼きたてパンを試食して終了。何度もイメトレ。よしいける。
発酵の実験には温度による違いや小麦粉の種類による違いなど様々ありますが、砂糖の量による違いを観察してもらうことにしました。ベースは共通して粉50グラムにイースト1グラムとぬるま湯30グラム。それを3つ用意します。ひとつには何も入れず、もう一つには砂糖3グラム、残りには砂糖10グラムを入れて捏ねます。3人の生徒さんに捏ねてもらい、同じ条件になるよう数分でローテーションしました。
30分後、どれが一番良くふくらむかを予想してもらうのですが、ここでヒントを出します。
・イーストは糖分をエサに炭酸ガスとアルコールを作る。
・糖分は砂糖だけではなく小麦粉にも少し含まれている。
・糖分はあまり多すぎるとかえって発酵を妨げる。
・ちょうどよい糖分量はおよそ粉の7%(粉50グラムなら3グラム)である。
そんなわけで皆さん「砂糖3グラム」と予想し、見事に的中でした。そりゃそうだろ、と思うかもしれませんが、実験が予測通りに進まないことはとってもたくさんありますからね。
「砂糖がたくさん入るほうがたくさん発酵しそうなのに」とか「糖分の多い生地はべしゃっとしてる」とか、いろんな発見をしてくれて嬉しかったです。
先月のレッスンの時、来月はパンだけどみんなパンには何をつけて食べてる?と聞いたら、バターとジャムと答えてくれたので、超美味しい発酵バターと旅先で買ったレモンのスプレッド、スーパーで買ったいちごジャムを用意したんですけど、皆さん何もつけずにそのままパクパク食べて「おいしい」って。そんなら良かったです…
講義のシナリオを作るために色々調べ物をしたのですが、発酵って本当に面白いですね。もっとたくさんお話したいことがあったので、いつか続編をやろうと思います。
ご参加くださった皆様、ありがとうございました。