「テンパリング 」という言葉に初めて出会った時、「なんか焦ってるのかな」と思った方とは友達になれる気がします。「テンパる」の語源には二つの説があって、一つは麻雀用語の「聴牌」(テンパイ)から来てるというもの。つまり、「あと一歩でいよいよ完成だ」という、どちらかというと前向きにワクワクする感じです。もう一つは英語の「temper」(短気)から来てるというもの。これはチョコレートのテンパリング の「温度調整する」という英語と語源が同じ「temperare」(抑える、控える)なんですって。だから焦ってるっていうのは半分あたりなんですね。
なんでもそうですけど、温度を保つにはある程度の容量があったほうが安定します。お菓子教室では「最低500gはあると良い」と言われるチョコレートのテンパリング 、でもそんなに大量のチョコレートは使いきれません。なので、板チョコ1枚 50gでやるにはどうしたらいいかを考えました。
まずは大振りのマグカップに80度くらいのお湯を入れます。マグカップの直径より少し大きいステンレスボウルに、板チョコの2/3を手で割り入れます。残り1/3はできるだけ細かくナイフで刻んでおきます。ボウルをマグカップの上に乗せ、時々チョコを混ぜながら完全に溶かします。チョコの温度が55度くらいで溶けきるのが理想ですが、レッスンの日の気温では大体いい感じに溶けました。カップから下ろして、刻んだチョコを丁寧に混ぜ込みます。全体が滑らかにツヤッとなり、温度が30度くらいになる状態を目指します。低すぎるならカップの上に置いて混ぜましょう。
ここで固まり具合を確認。カードなどの先にちょっとだけつけてしばらく置いてみて、触ってもベタベタしなければテンパリング 終了です。好きなドライフルーツやグミをディップし、クッキングシートの上に並べていきます。チョコが冷えないよう、カップの上で保温しました。この頃にはお湯の温度もちょうどよく下がっていました。少量でやるためにはこまめに気配りすることと、早く作業することが必要ですね。1年生さんも5年生さんも上手に出来ました。保険のためにマイクリオ (カカオバターの粉末。あっという間にテンパリング できる。)を持参したのですが、杞憂に終わりました。
作業に時間はそんなにかからないので、みんなでチョコレートがどうやってできるかの動画を観ました。数年前、横浜ミサリングファクトリーの松本先生が、インドネシアのフローレンス島でカカオを使ったお菓子の開発に携わったことがあります。「カカオの農家の人たちは貧しく、自分たちで収穫したカカオを原材料とするチョコレートを口にすることはほとんど無い。製品について知れば、それを生産に活かすことができて、品質向上に繋がる。売値が上がれば収入が増え、モチベーションアップになる。そういう好循環を作ることが大切。」そんなお話を伺い、美味しくいただくサイドとしても、生産者さんたちの環境や仕事について知ることが大切だなと思いました。一緒に見たお子さんたちの記憶の引き出しに残ってくれるといいなと思います。
(こちらは2024年2月に行ったレッスンのレポです。)