冷凍庫なしで作るシャーベット(凝固点降下と色の三原色)レッスンレポ

冷凍庫なしで作るシャーベット(凝固点降下と色の三原色)レッスンレポ

初夏の陽射しに爽やかな風(というにはちょっと強かったかも)、これはもうシャーベット日和です。

ちいカレの構想のずっと前に、子どもたちとやったら絶対楽しいだろうなと思っていたこの企画。美味しい科学遊びのシリーズはここに寄せて作ってます。誰よりも私が待ちわびていたレッスンの日。嬉しい。

先月のレッスンで生徒さんに何を凍らせたいか聞いてみたら「オレンジジュース」という声が多かったので、日本が誇る「ポンジュース」を仕入れて行きました。今、ブラジルやアメリカはオレンジが不作だそうで、トロピカーナのオレンジが来月から2ヶ月間販売中止になるとか。我が国に愛媛県があって良かった。

他には個人的一押しの「ヨーグルト&杏ジャム」。自家製杏ジャムが我が家の冷蔵庫不調により食べ切ってしまわなければならず、市販品を買いました。それから、かき氷シロップでも作ろうかなと。ついでに色の三原色の話をしながら、好きな色合いにしてもらいました。

さて、「冷凍庫なしで、どうやって凍らせるのか」の答えは「氷に塩を入れて、その中でジュースを凍らせる」です。実験としてはかなり定番なので「知ってるー」という生徒さんもいましたが、でもなんでだろう・・・ということで、まずはタコ糸で氷を釣る遊びから。

トレイに塩を敷いて、その上に氷をひとかけら乗せます。表面がカチカチだったら、指でちょっと触って濡らします。そこに、濡らしたタコ糸を乗せ、上からも塩をかけて20秒。そーっと糸を持ち上げると、氷が釣れました。

「氷に塩をかけると、温度が下がって濡らしたタコ糸が凍りつく」ので、釣れるんですね。じゃあなんで、氷に塩をかけると温度が下がるんだろう・・・それは最後の実験の後にお話しますよ。

次に、赤・青・黄のかき氷シロップを混ぜて、好きな色のシャーベットの素を作ります。生徒さんたちに「好きな色は何色ですか?」と聞くと、「緑」「紫」「青」などと答えてくれました。どんな色も基本の3色(シアン・マゼンタ・イエロー)から作ることができますよ、とお話しながら、今月行われたミサリングファクトリーのチラシを虫眼鏡で見てもらいました。小さな点々が集まって色を作ってるのが見えたかな。インクジェットプリンターの仕組みもお話しました。

いよいよシャーベット作り。オレンジジュース・好きな色のシロップをそれぞれ小さなジッパー付き袋に入れて、しっかり口を閉めます。次に大きなジッパー付き袋に氷と塩を入れます。その中に小さな袋を入れて口を閉めたら、忘れずに軍手をします。めちゃくちゃ冷たくなるからね。

実験の前に、何分くらいで凍るか予想してもらいました。全員が「10分」と回答。こちら実験の想定解なので皆さん優秀。シャカシャカ振ったり揉んだりした結果、オレンジジュースは8分くらいで凍りました。が、シロップはなかなか凍らず。固形物が一切無いからですね。20分近くかかってどうにかシャーベットになりました。

ココットに移して試食します。オレンジジュースに甘味を足していないので「苦い」という生徒さんもいました。私はベタベタしないすっきりしたオレンジシャーベット、美味しかったです。

「なんで氷に塩をかけると温度が下がるのか」ですが、これには氷と水が出会ったときに起きる二つの反応が関係しています。氷は水に触れると溶けようとしますが、その時に周りから熱を奪います。水は氷に触れると凍ろうとしますが、その時に発熱します。通常、この反応は水温が0度で釣り合います。水に氷をたくさん入れようが、氷水の温度は0度より下がりません。

ところがここで塩をかけると、塩が水の凍ろうとする反応を邪魔します。なので発熱が妨げられますが、一方で氷は溶けるのでどんどん熱が奪われて行きます。塩が加わった時、この反応が釣り合う温度はマイナス21度です。おうちの冷凍庫より低いかもしれませんね。なので、ジュースが凍るのです。

地球上には「水温がマイナスの環境」があります。北極や南極の海です。そんな環境で生きられる魚がいます。リパリス・ギブスやキバゴチ、ショウワギスなど。生徒さんと一緒に写真を見ながら、これらの仲間が持っている「不凍タンパク」の話をしました。まだそのメカニズムは完全に分かってはいませんが、医療や冷凍食品などに応用されています。

これで美味しい科学遊び 2023春のレッスン全3回が終わりました。参加してくれた生徒さんと保護者の皆様、ありがとうございました。

来月からは2023夏のレッスンが始まります。夏はひんやり和菓子が美味しいですよね。楽しんでいただけるよう準備しますので、よろしくお願いします。